キャッシングをつかって借り過ぎを防げる制度もある

消費者金融の歴史と規制による問題解決

消費者金融は日本の高度成長期に合わせて積極的に融資を行い、貸付残高も大きく伸びてきました。 しかし、その一方で消費者金融業界の法整備は未熟な部分も多く、グレーゾーン金利での貸し付けなどが一般的に行われている状態でした。

その結果として、1980年代から90年代にかけてサラ金のトラブルが社会問題化してしまうことになります。 高金利での貸し付けや、利用者の返済能力を超えるような貸し付けをすることで返済ができなくなる人が急増し、自己破産する人や自殺する人まで出てくる大きな問題となりました。

こういったサラ金問題を解消するために貸金業法が改正されることになり、その中で総量規制というキャッシングに関する制度が制定されています。

総量規制とは?

総量規制とは、個人が消費者金融やクレジットカードのキャッシングで借りることのできる金額の上限を「前年度の年収の3分の1」までに制限するというルールです。

たとえば、昨年度の年収が300万だった人の場合、借りることのできる金額の上限は100万円になり、昨年度の年収が600万円であれば上限は200万円になります。 この金額は1社からではく、貸金業者からの借入全体の総合金額です。

そのため、年収300万円の人が消費者金融Aから50万円を借りている場合、消費者金融Bから借りることのできる金額は50万円が限度ということになります。

総量規制はあくまでも「貸金業界内」のルール

では、年収300万円の人がすでに消費者金融から合計で100万円を借りている場合はこれ以上まったくお金を借りることができないのかというと、そういうわけではありません。 総量規制は貸金業法で定められたルールであり、適用されるのは貸金業法の下で運営されている貸金業者からの融資だけです。

そのため、銀行法によって運営されている銀行からの融資であれば、総量規制の枠を超えて融資を受けることができます。 また、総量規制はあくまでも個人の借り入れについてのルールであり、法人についてはこの限りではありません。

総量規制により専業主婦は原則借りられない状態に

総量規制は個人の借り入れを年収の3分の1までに制限したため、仕事をしておらず収入が全くない人は貸金業者からお金を借りることができないようになりました。 この影響を一番受けたのが、専業主婦です。

専業主婦の場合は給与を受け取る仕事をしていませんので収入がなく、原則的にキャッシングを利用することができない状態となっています。 実際、大手の消費者金融の多くは専業主婦に対して貸し付けを行っていません。

ただし、まったく借りられないかというと、そうではありません。 実は、消費者金融の中には専業主婦への貸し付けを行っているところもあります。 この場合、専業主婦へ貸し付けといっても、実際には配偶者である「夫への貸し付け」の形で融資が行われます。 専業主婦であっても夫の同意があればキャッシングを申し込むことができ、その場合は夫に十分な返済能力があるかどうかが審査条件となります。

そのため、仮に融資が行われる場合、融資の上限は夫の年収の3分の1です。

総量規制が適用されない「おまとめローン」の存在

多重債務の問題を解決するための方法として、おまとめローンによる借り換えがよく行われます。 基本的に金利は借入金額が大きくなるほど低くなるため、複数の借入先からの借金を1つにまとめることで金利を低くして返済を楽にするのが目的です。

最近は消費者金融でもおまとめ専用のローンを行っているところが増えてきていますが、これは総量規制の適用されないことになっています。 貸金業法では、利用者が一方的に有利となるような貸し付けについては総量規制の例外としており、年収の3分の1を超える金額であってもおまとめローンなら借入可能です。

ただ、ここで注意しなければならないのは、総量規制の例外となるのはおまとめ専用ローンだけということです。 通常のキャッシングやカードローンを借り換え目的で利用した場合は、総量規制の例外とはなりませんので注意しましょう。

「借り過ぎ問題」をなくすために

以前は全く規制がなかったことにより、自分の返済能力がないにも関わらず借り入れをしている人が多くいました。

しかし、総量規制が制定されたことにより、多くの人が借り過ぎを防ぐことができ、以前に比べると無理な借り入れはなくなってきたように思います。 ただ、それでも返済を滞納してしまう人や、返済計画を立てきれずに返済不可能となり、自己破産をしてしまう人もいます。

お金を借りる際にはしっかりと返済計画をたてて、必ず返済できることを条件にお金を借りる、という事を強く意識することが大切です。

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